断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~

第27話 だってアレ、山田だから

「ハナコ様、起きていても大丈夫なのですか?」
「ええ、熱はもう下がったから。ジュリエッタ、いつもお見舞いありがとう」

 使用人たちを部屋から追い出すと、気が抜けて大きなため息が出た。
 正直言ってまだ体がだるい。雪山から帰って一週間は経つけど、高熱が出て学園は休学中だ。
 ってか、ハナコって体力なさ過ぎでしょ。これからは肉体改造がんばらないと。

「あんた、ほんとに平気なの? まだしんどそうに見えるけど」
「少しは体動かさないとね。このままだと寝たきりになりそうでさ」

 それにそろそろ雪山であったこと、ぜんぶ答え合わせしときたい。

「ごめん姉ちゃん、待った?」
「大丈夫、未希もいま来たところだから」

 健太も来てくれて、雪山イベント反省会の始まりだ。

「あった出来事をまとめると、総じてユイナ、ひとつもイベントこなしてねぇな」
「遭難時のシュン王子とハナコのやりとりも、まんまヒロインイベントだしね」

 う、やっぱり? うすうすそうじゃないかとは思ってたけど。
 でもだったらなおのこと、山田に罪悪感なんて持つ必要はないのかも。

「ユイナのヤツ、何考えてんだ? 自分から王子ルートを選んだくせに」
「それもそうだけど……なんでわたしにヒロインイベントが発生するんだろう」
「そこなのよね。悪役令嬢ポジションのハナコが全部肩代わりしてる勢いだし」

 話はそこで行き詰った。なんか堂々巡りでさ。
 こんなんじゃ、わたし断罪を回避できるかも分かんない。対策立てようにも何をどうすればいいのって感じだよ。

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