断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~
 いつもなら注目を集めるわたしだけど、今日ばかりはみんなお祭りに夢中みたい。
 仲良さそうにしてるカップルとかも結構いて、ちょっとうらやましく思ったり。
 まぁ、わたしは公爵令嬢だし? 立場的に気軽な男女交際なんてできっこないんだけどさ。

 あ、あそこのふたり、お化け屋敷に入るんだな。怖がってるフリして、女子は男子に甘える気満々そう。
 学園祭なんていちゃつくためのイベントだもんね。やっぱ、裏山(ウラヤマ)。くそっ、()ぜろ、リア充っ。
 なんて表面ニコやかに内心で毒を吐いてたら。

「ハナコ嬢!」
「ダンジュウロウ様……」

 だからなんで独りきりんときにやって来るんだ、君たちは?

「見つけた。シュン王子にここの区画にいるだろうと言われて来たんだ」

 そりゃあ、いるでしょうよ。
 山田はこの胸のブローチ使って、わたしの動向を常に見張ってるんだから。

「ハナコ嬢はあそこに入りたいのか?」
「え?」

 あそこってお化け屋敷のこと? わたしがそっちの方を見てたからかな。

< 180 / 413 >

この作品をシェア

pagetop