断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~
「うわ、ハナコ激ヤバじゃん」
「そうなんだよねぇ。でもよかった、華子が正気を取り戻してくれて。このままじゃ、あんた断罪コース一直線だったし」
「え?」
「わたしもそばにいてずっと忍びなかったんだよね。いくらゲームの悪役令嬢って言ってもさ、幼馴染とおんなじ顔した人間がギロチンに掛けられて首飛んじゃうなんて」
「は? ゲーム? 悪役令嬢?」

 っていうか、首飛んじゃうってなにっ。

「華子、覚えてないの? この世界、昔プレイした乙女ゲームのまんまじゃない」

 じゃない、と言われましても……。
 情報量が多すぎて、ぱちくりと未希の顔を見た。

「未希、変な冗談……」
「こんな冗談言うくらいなら、さけるチーズを裂けるだけ裂いてホウキでも作った方が一億万倍マシよ」

 どんな例え?
 てか、確かに未希はこんなくだらない嘘をつくようなやつではないか。

「じゃあ、ハナコ(わたし)が悪役令嬢って言うのは……」
「うん本当の話。今まで見てきた感じだと、あんたゲームのストーリー、八割がたなぞってるよ?」

 前世、恨まれて転落死。
 今世、(うと)まれてさらし首。

 ってか、何それ、あーりーえーなーい――――っ!!


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