断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~

第36話 容疑者ヒロイン

 しばらくはふて寝して過ごして。
 で、ダラダラするのも飽きてきちゃってさ。そろそろ学園に行こうかどうしようかって迷ってるところ。

 さすがの山田も今回は見舞いの花とか贈ってこない。謝罪の手紙は届いたけど、返事する気にもなれなくて。

 くそぅ、山田のヤツ。思い出しただけでも腹が立つ。
 公開キスだとかほんとふざけんなって感じ。
 前世と言い、今と言い、どうしてわたしにつきまとってくるんだ。

 そもそも日本で階段から転げ落ちたのも、山田に告白されたのが発端(ほったん)なんだよね。
 あのときも大勢の前で愛を叫ばれて。告白っていうより、そんなモンすっ飛ばしてもはやプロポーズって感じでさ。
 キスされなかった分だけ、今よりもまだマシな状況だったかもだけど。

 それはさておき。今日未希が来てくれるから、また三人で作戦会議しようってことになってる。
 今後のことは、状況見て冷静に判断しないとね。

「ハナコ様、お加減はいかがですか? こちら手土産ですわ。お口に合えばよろしいのですが」
「あら、ありがとう。わたくしの調子はまずまずよ」

 あ、いちご大福。それにみたらし団子も!
 さすが未希。気を利かせてわたしの好物選んできてくれたんだな。健太は甘いもの苦手だから、みたらし団子だけ取っといてあげようっと。

< 197 / 413 >

この作品をシェア

pagetop