断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~

第41話 ゆいなの世界1

「さっきも言った通り、最初はゲームの世界を楽しんでたんです。ループしてもいろんな攻略対象と遊べるって感覚だったし」

 でも、と長谷川は唇を噛みしめた。

「どのルート選んでも、みんな繰り返し同じ反応しかしないし、結末も決まり切ってて。やっとエンディング迎えたと思ったら、一瞬で入学式に戻っちゃうし」

 で、いい加減飽きてきたってワケか。
 健太が懐柔されるには、イマイチ弱そうな理由なんじゃ? とか思ったり。
 ダメだ、どうしても感情的になっちゃうな。
 でも長谷川に醜態さらすのも悔しいし。ここは未希に丸投げしとこっと。

「今まで何回くらいループしてきたの?」
「十八回くらいまでは覚えてたんですけど、途中で数えるのも面倒になっちゃって。多分、百回とか軽く越えてるんじゃないかな……」

 ひゃ、ひゃっかいっ!?
 そら、気も狂いそうになるわな。未希もちょっと絶句してるし。

「正直言って初めのころは、王子ルートの断罪ざまぁ見てわたしもスカッとしてたんですよね。だけどハナコ様の首が飛んでも、いつもみんなヘラヘラ笑ってて。それでだんだん気持ち悪くなってきちゃって……」

 ぎゃっ、わたしの首が飛ぶ世界線、マジであったりすんのっ。
 ってか長谷川、あんたも初めは笑ってたんか。いくらわたしが気に食わないからって、人間見んぞ、ごるぁっ。

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