断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~

第67話 恋は常識じゃはかれない

「なによ華子、そんなため息ついて。恋でもしてんの?」
「へ、未希……?」

 考え事していたら、いつの間にか未希が部屋にいて。
 とっくに人払いも済んでて、テーブルにはお菓子とティーセットが並んでた。

「ごめん、ぼんやりしてて来てるの気づかなかった」
「いいけど、あんたにしちゃ珍しいね。はい、これ戦利品」
「あ、冬カメ無事に終わったんだ。お疲れ様」

 未希は薄い本を何冊も積み上げてくる。
 収納魔法があるからこっそり持ち込めるけど、メイドに見つからないよう隠すわたしの身にもなってほしかったり。
 機嫌(そこ)ねると困るから、いらないなんて口が裂けても言えないんだけど。

「んで、さっきからなにを思い悩んでんのよ?」
「それが、わたし卒業したらイタリーノに留学することになって……」
「イタリーノに留学を? なにあんた、いつの間にロレンツォルートに入ったの?」
「入るわけないじゃん! ロレンツォはただの足がかりだし。それにルートだなんてヒロインじゃあるまいし、わたし悪役令嬢なんでしょ!?」
「攻略対象とフラグ立てまくりの、ね」

 うっ、好きで立ててるわけじゃないってばっ。

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