断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~

第10話 わたくしは怠惰なブタ

「へぇ、そんでまだ休学は続けるつもりなんだ?」

 薄い本を読みながら、未希はひとごとのように言った。
 ええ、ええ、そりゃひとごとでしょうともっ。

 熱は下がったから、さすがに山田は居座ったりはしなくなった。
 ただ毎日花は贈られてくるし、週末になると必ず見舞いにやってくる。

 捨てるのはもったいないので、花は孤児院に送ってドライフラワーを作るよう言ってみた。
 王家ご用達の花屋だからものはいいし、ポプリとかにすれば孤児院の収益にもなる。

 これは未希の提案だったんだよね。
 平民に好かれてる令嬢なら、極刑に処されそうなとき非難の声が上がるだろうからって。

 そういった訳で悪役令嬢時代の悪行を払しょくするために、人知れず善行を重ねてる毎日だ。

籠城(ろうじょう)してるだけじゃ状況は変わらなそうだけど?」
「だって何言っても何やっても、山田、暖簾(のれん)に腕押しなんだもん」

 だったらなんか良い案おしえてよっ。

「それはさておき、華子、あんた最近(デブ)った?」

 ぎくっ。未希ってば相変わらず言い方容赦ないっ。

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