クールな海上自衛官は想い続けた政略妻へ激愛を放つ
エピローグ

【エピローグ】

「産気づいたときに、柊梧さんがいなかったら雄也さんか毅くんが迎えにきてくれるって話だったんですよ」

 毅くんと私の会話を、どうしてか毅くんが私を連れていってしまうと勘違いしたらしかった。私はふたり並んで布団にくるまり、柊梧さんに強く抱きしめられたまま小さく唇を尖らせた。

「私が柊梧さんのそばを離れるわけがないじゃないですか」
「……悪かった」

 そっぽを向いた柊梧さんは、なんだかいつもより子供じみて見える。とってもかわいくて、愛おしいと思ってしまうから不思議だ。

 そういえば、最初のころだって、照れて素直に私と接することができなかったなんて言っていたなあ。
 思い出して、ふふふと笑ってしまう。

 普段クールだし冷静な彼だけれど、きっと彼の本当の姿はこっちだ。ちょっと子どもで、照れ屋で、かわいらしい。

「大好きですよ」

 私がそう言うと、照れ屋な彼の頬はほんのり赤くなる。
 その赤い頬のままキスを交わした瞬間、私は肩を揺らす。

「海雪?」
「あ……その、えっと」

 下着が濡れていく感覚。それを言葉にする前に、柊梧さんが反応した。

「破水かもしれない」
「え、えっと、もう……?」

 シーツを濡らしたくなく、起き上がろうとした私を「寝ていろ」と制して柊梧さんは布団をはねのけ起き上がる。
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