クールな海上自衛官は想い続けた政略妻へ激愛を放つ
ガーリックシュリンプ、ふんだんに葉物野菜が使われているサラダに和えてあるのは島豆腐だろうか。分厚いローストビーフにカルパッチョ、それから小さめのニンジンやトマトがそのまま使われたマリネは、オレンジのソースがかかっている。
「ほとんど買ってきた惣菜だ。座っていろ」
さらっと柊梧さんは言うけれど、続いて取り出した鍋はきっと手作りだ。リブのトマト煮らしい。朝どころか、昨日から仕込んでいたんじゃないかと思う。
私は食器棚に向かい、せめてと取り皿とお箸を取り出そうとして、大井さんにお箸をもらったことを思い出し鞄から取り出して流しで軽く洗う。
「実家のお手伝いさんにこれ、いただきました」
そう報告すると、柊梧さんは「そうか」と呟くように答えた。
「礼をしなくてはな」
そう言いながら、手早くもうひとつ鍋を用意した。パスタをゆでるらしい。IHの三口コンロだから、料理もスムーズに進みそうだ。
「あ、お礼は私のほうから……」
「そうか、頼む」
部屋にトマト煮の良い香りが満ちる。柊梧さんは手慣れた様子で調理を進めていく。私は彼の横に立ち、時折手伝いながら彼の調理を眺めていた。ほれぼれするほど手際がいい。
「お得意なんですか? 料理」
「……自分で食うぶんくらいは」
なんでもないことのように彼は答える。
そうしてフライパンでニンニクを炒め、ベーコンをたっぷり使って作られたのは、いわゆる悪魔風パスタ。いい香りにきゅうっと胃が音を立てる。
ふ、と柊梧さんが頬を緩めた――気がした。
目を疑っているうちに、彼はパスタもトマト煮も見栄えよく器に盛りつけた。そうして冷蔵庫からシャンパンを取り出す。
グラスを差し出され、目で着席を促されて柊梧さんと向かい合って座る。なんだかドキドキした。それにしても、今日の料理、どれも好きなものばかり……とふと気が付いた。
もしかしてこれって、最初のお見合いや葉山のホテルランチで、私が好物だと話したものが選ばれている?
「あ、あの」
お礼を言おうとしたところに、柊梧さんはかぶせるように口を開く。
「これくらいしかできないが」
そうしてひとつ息を吸い、彼は続ける。
「政略結婚ではあるから、君も思うところはあるだろう。ただ、俺は……生涯君を大切にすると誓う」
「ほとんど買ってきた惣菜だ。座っていろ」
さらっと柊梧さんは言うけれど、続いて取り出した鍋はきっと手作りだ。リブのトマト煮らしい。朝どころか、昨日から仕込んでいたんじゃないかと思う。
私は食器棚に向かい、せめてと取り皿とお箸を取り出そうとして、大井さんにお箸をもらったことを思い出し鞄から取り出して流しで軽く洗う。
「実家のお手伝いさんにこれ、いただきました」
そう報告すると、柊梧さんは「そうか」と呟くように答えた。
「礼をしなくてはな」
そう言いながら、手早くもうひとつ鍋を用意した。パスタをゆでるらしい。IHの三口コンロだから、料理もスムーズに進みそうだ。
「あ、お礼は私のほうから……」
「そうか、頼む」
部屋にトマト煮の良い香りが満ちる。柊梧さんは手慣れた様子で調理を進めていく。私は彼の横に立ち、時折手伝いながら彼の調理を眺めていた。ほれぼれするほど手際がいい。
「お得意なんですか? 料理」
「……自分で食うぶんくらいは」
なんでもないことのように彼は答える。
そうしてフライパンでニンニクを炒め、ベーコンをたっぷり使って作られたのは、いわゆる悪魔風パスタ。いい香りにきゅうっと胃が音を立てる。
ふ、と柊梧さんが頬を緩めた――気がした。
目を疑っているうちに、彼はパスタもトマト煮も見栄えよく器に盛りつけた。そうして冷蔵庫からシャンパンを取り出す。
グラスを差し出され、目で着席を促されて柊梧さんと向かい合って座る。なんだかドキドキした。それにしても、今日の料理、どれも好きなものばかり……とふと気が付いた。
もしかしてこれって、最初のお見合いや葉山のホテルランチで、私が好物だと話したものが選ばれている?
「あ、あの」
お礼を言おうとしたところに、柊梧さんはかぶせるように口を開く。
「これくらいしかできないが」
そうしてひとつ息を吸い、彼は続ける。
「政略結婚ではあるから、君も思うところはあるだろう。ただ、俺は……生涯君を大切にすると誓う」