噛んで、DESIRE

シガレットの匂い







「なーあ、杏莉ちゃん」

「……おはようございます。なんですか」


「俺、とんでもないことに気付いちゃったんだけどさ」

「こ、怖いので、早く言ってください……」



翌日の朝。

実は早起きらしい吾妻くんがわたしを揺らして起こし、眠い中なんとか目を開く。


目が覚めたら吾妻くんとの出来事はぜんぶ夢でした、みたいなことはもちろん起こるはずもなく、しっかり美麗なお顔が目の前に存在していた。


「あのさ、昨日何曜日か知ってる?」


なんのことかと思えば、急に曜日の話。

吾妻くんは突拍子もないことを言いがちだから、そこまで不思議だとは思わなくなってきたけれど。


ひとまず回らない思考回路をフル回転させて答える。




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