好きだなんて、【完】
「しずくは俺のこと、どう思ってるか聞いてない」
ぽつり、聞き逃しそうな小さな声
きゅうんと、胸が狭くなった
「あれ、言ってないっけ?」
ちゃんと気持ち伝えたつもりだったし、なんか凪くんにも伝わってる雰囲気だよね?
でも確かに思い返せば言ってないかも…
「聞いてない。」
拗ねてる凪くんに、機嫌を直してもらうべく、気持ちを伝えようとたくさんの酸素を吸い込む
「凪くんっ、だいすっ」
言い切る前に強い力で引き寄せられて、
「俺も」
すっぽりハマった腕の中、耳元でそんな声が聞こえた。
熱っぽい、淡くて、滑らかな声
きっとこれからも君に絆されて生きて行くんだ。
fin


