御曹司は高嶺の花に愛を刻む
さんざんアトラクションを楽しんで、陽平も子供の時以来と言っていた通り、だいぶはしゃいでいた。

すっかり暗くなり、今は夜のショーを人の少ない端っこの方で見ている。

私が手すりに捕まって、陽平は後ろから抱きしめるようにくっついてる。

「陽平!!楽しいね!!」

振り向き、陽平を見上げる。

「ああ。想像以上だったな」

陽平は、私を見下ろし優しく微笑んだ。

「また、一緒に来たい!!」

「ああ。いつでも連れてきてやる」

そう言って、ニカっと笑った。

飛びつきたい!!キスしたい!!

そんな衝動が湧き起こる。

どうして優しくするの?
どうして、そんな瞳で見つめるの?
この、抱きしめる手の意味は?

問いただしてしまいたくなる。


もう。無理だ。伝えたい。気持ちだけでも。

「陽平」

「ん?」

「私、陽平のこと、、、」

そして、口を押さえられた。



「ダメだ」

ダメ、、?

言わせてもくれない、、の?

驚いて、目を大きく開けた。

陽平、、、?
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