私は甘すぎる溺愛から逃れる方法を知らない
「大丈夫だよ。玲乃とならどれだけでも電話をしてたいくらいなんだから、急がないでよ」

亮弥さんの優しい言葉で、心が少し落ち着いたのが分かった。

その後も、亮弥さんは楽しそうに世間話をしてくれる。

しばらくすると、勇気が出て私はなんとか薬を飲み終える。


「あの……飲み終わりました……!」


「そう、玲乃は良い子だね」


「あの……本当にありがとうございます」

「お礼を言いたいのは、俺の方。玲乃と電話出来るのはとっても楽しいから、あっという間だよ」

それだけ言うと、亮弥さんは約束通りすぐに電話を切った。

その後はいつも感じる風邪の時の寂しさのようなものを、感じることはなかった。
< 26 / 42 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop