私は甘すぎる溺愛から逃れる方法を知らない
それからの数日間も、亮弥さんは本当に電話を一日三回繋いでくれた。

私は、熱はもう下がっていた。

「今日もありがとうございます、亮弥さん」

「気にしないで。もっと玲乃と話したいくらいだ」

そう言いながらも亮弥さんは風邪気味の私を気遣い、薬を飲み終わればすぐに電話を切ってくれる。

亮弥さんのたくさんの小さな気遣いに救われているのは、自分でも分かっていた。

実際、亮弥さんがいなければ、私は薬を飲めずにいたかもしれない。

明日は、亮弥さんと電話を繋ぐ最後の日。

明日はもう目の前まで迫っていた。
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