気高き敏腕CEOは薄幸秘書を滾る熱情で愛妻にする
説明会に参加しているのは咲良を含めて六人。
皆、表情からやる気が感じられると感じた。
それぞれ志望職種は違うけれど、彼らとなら前向きに仕事が出来そうな気がする。
説明会には颯斗も顔を出し、皆の前で挨拶をする為、前に出た。
皆の視線が集まる中、颯斗は自信にあふれた表情で口を開く。
「内定おめでとう。渡会ワークスは四年前に起業し困難はあったものの、ここまで成長することが出来ました。結果を出し続けられるのは社員たちの努力によるものです。今回入社が決まった皆さんも、ワタライワークスの一員として力を尽くし、当社がますます発展出来るように、常に挑戦する心を忘れず頑張って欲しい!」
颯斗が短い挨拶を終えると、一斉に拍手が鳴る。
彼の声も表情も醸し出す自信に溢れた空気も、全てに強烈なカリスマを感じる。
咲良以外の内定者もそう思っているから、希望に溢れた眼差しで颯斗を見つめ、自発的に拍手をしたのだ。
咲良の鼓動もドクンドクンと高鳴り落ち着かない。
(本当に、特別な人……)
人の上に立つのにこんなに相応しい人がいるだろうか。
颯斗の登場で明らかに空気が変わった。
おそらく皆が非情に前向きな気持ちのまま、説明会を終えたのだった。
眺めながら、咲良は決心したのだった。
説明会終了顔、咲良はエレベーターで地下に向かった。
颯斗から終わり次第、地下の駐車場に来て欲しいと言われているからだ。
連絡通路から駐車場に向かい、扉の前でキョロキョロ周囲を見回す。するとすぐに声をかけられた。
「駒井さん!」
声の方に目を向けると、颯斗が駆け寄ってくるところだった。
「問題なく終わった?」
「はい。お待たせしてしまったようで、申し訳ありません」
頭を下げようとすると颯斗の言葉に遮られる。
「今はプライベーとの時間だから。敬語も要らない」
「でもそう言う訳には……それに今はプライベートなんですか?」
「入社希望者をこんなところに呼びだしたりはしないだろ?」
それはそうかと、咲良は小さく頷く。
「時間は大丈夫か?」
「はい、もちろんです」
彼に話があると言われた時点で、この後の予定は入れていない。
「よかった」
颯斗に促され駐車場内を移動する。
「乗って」
白の国産セダンの前で立ち止まった颯斗が、咲良の為に助手席のドアを開ける。