気高き敏腕CEOは薄幸秘書を滾る熱情で愛妻にする
「え? いえ、私は……」
そんなことを言われるとは思ってもいなかったので、動揺してしまう。
「落ち込んでいることくらい分かる。君が沈んだ顔を見るのは辛い。何をしても憂いは俺が晴らしてやりたいと思う。以前も言っただろう? 俺は君の味方だ」
真摯な言葉が胸に染み込んで行く。
彼は義務感などではなく、本心から咲良を想ってくれている。
そう感じたからか、自然と口を開いていた。
「私、羽菜さんに嫉妬してしまったんです」
「嫉妬?」
恐らく予想していなかった答えだったのだろう。颯斗が驚愕の表情になる。
咲良は僅かに頷いた。
「颯斗さんと羽菜さんがすごく親しく感じて……私の立場で嫉妬するなんておかしなことだと分かってはいるんですけど」
口にするとますます自分が契約違反な感情を抱いているのだと分かる。
「ごめんなさい、私変なこと言ってますよね。少し酔ったのかも」
「変なことなんかじゃない」
誤魔化し笑いを浮かべながらそう言うと、颯斗が即座に否定した。
彼の表情は真剣で、咲良は思わず息を飲んだ。
「俺たちは夫婦なんだ。君がそういった感情を持つのは当然だ。だから謝る必要なんてない」
「颯斗さん……でも」
(私たちは普通の夫婦じゃないのに)
けれどそれは言葉に出来なかった。
颯斗が醸し出す雰囲気が否定の言葉を許さなかったのだ。
颯斗もワインを楽しんだので車は駐車場に預け、タクシーで帰宅をした。
明日も仕事なので、シャワーを浴びた後はふたりとも直ぐに寝室に入った。
「颯斗さん、今日はすごく楽しかったです。本当にありがとう」
「ああ」
ベッドに入る前に改めてお礼を言うと、颯斗は微笑んだ。
その柔らかな眼差しに、咲良の胸が切なくときめく。
期待はしていけないと常に自分に言い聞かせているのに、彼の眼差しがあまりに優しく愛しさが溢れているから、想いを捨てきれなくなる。
(私、今でも颯斗さんが好きなんだ……)
いくら誤魔化しても、自分の心は偽れない。
優しくて尊敬出来て、いつも咲良を守ってくれる彼を、忘れるどころかますます好きになっている。
今にも思いが溢れて、言葉にしてしまいそうになる。
切なさが胸を満たしたそのとき、颯斗が腕を伸ばし咲良の体を引き寄せた。
「颯斗さん?」
抱きしめられて、逞しい胸に頬が当たる。
そんなことを言われるとは思ってもいなかったので、動揺してしまう。
「落ち込んでいることくらい分かる。君が沈んだ顔を見るのは辛い。何をしても憂いは俺が晴らしてやりたいと思う。以前も言っただろう? 俺は君の味方だ」
真摯な言葉が胸に染み込んで行く。
彼は義務感などではなく、本心から咲良を想ってくれている。
そう感じたからか、自然と口を開いていた。
「私、羽菜さんに嫉妬してしまったんです」
「嫉妬?」
恐らく予想していなかった答えだったのだろう。颯斗が驚愕の表情になる。
咲良は僅かに頷いた。
「颯斗さんと羽菜さんがすごく親しく感じて……私の立場で嫉妬するなんておかしなことだと分かってはいるんですけど」
口にするとますます自分が契約違反な感情を抱いているのだと分かる。
「ごめんなさい、私変なこと言ってますよね。少し酔ったのかも」
「変なことなんかじゃない」
誤魔化し笑いを浮かべながらそう言うと、颯斗が即座に否定した。
彼の表情は真剣で、咲良は思わず息を飲んだ。
「俺たちは夫婦なんだ。君がそういった感情を持つのは当然だ。だから謝る必要なんてない」
「颯斗さん……でも」
(私たちは普通の夫婦じゃないのに)
けれどそれは言葉に出来なかった。
颯斗が醸し出す雰囲気が否定の言葉を許さなかったのだ。
颯斗もワインを楽しんだので車は駐車場に預け、タクシーで帰宅をした。
明日も仕事なので、シャワーを浴びた後はふたりとも直ぐに寝室に入った。
「颯斗さん、今日はすごく楽しかったです。本当にありがとう」
「ああ」
ベッドに入る前に改めてお礼を言うと、颯斗は微笑んだ。
その柔らかな眼差しに、咲良の胸が切なくときめく。
期待はしていけないと常に自分に言い聞かせているのに、彼の眼差しがあまりに優しく愛しさが溢れているから、想いを捨てきれなくなる。
(私、今でも颯斗さんが好きなんだ……)
いくら誤魔化しても、自分の心は偽れない。
優しくて尊敬出来て、いつも咲良を守ってくれる彼を、忘れるどころかますます好きになっている。
今にも思いが溢れて、言葉にしてしまいそうになる。
切なさが胸を満たしたそのとき、颯斗が腕を伸ばし咲良の体を引き寄せた。
「颯斗さん?」
抱きしめられて、逞しい胸に頬が当たる。