恋の病に、堕ちてゆく。
「四季に言われたんだよね。こんな部屋にずっといたら、気が狂うって」

青波の言う"ずっと"がどれくらいのものなのか判断できない。それりゃぁ何ヶ月も此処にいたら発狂するだろうけど、今はまだ大丈夫だ。


「外の空気も吸いたい?」

「まぁ、それは…できれば窓を開けて、空気の入れ替えはしたいですね」

「ああ、その窓は開かないんだ」

「へぇ…」

そうじゃないかな、とは思ってたよ。
この部屋は1階だし、簡単に脱出できるような窓は都合が良すぎるもんね。


「考えとくよ」

「外出をですか?」

カレーライスを完食した青波はティッシュで口を拭いながら、頷いた。

私が逃げ出すとは考えないのだろうか。
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