恋の病に、堕ちてゆく。
両親のことを考えると一気に目頭が熱くなる。

泣きたくなる。
(わめ)いて助けを求めたくなる。


「本当だよ。だから安心して。しばらくの間、大人しくしておいてね?ご飯を食べて、ちゃんと寝て。そうじゃないと、ご両親が心配するでしょう」


私を落ち着かせるようなそんな優しい声色。

誘拐犯くせに、私を慰めようだなんて間違ってる。そもそもの原因はあなたたちなのに!


「あなたたちの目的を教えてよ!どうして私がこんな目に遭うのよ!」


ムカつくし、悔しい。
こんな奴らの手の中にいることが、悔しすぎる。


いつもの通学路を通らなかったら、どこかに寄り道をしたら、通行人がいたら、こんな目には遭わなかったのだと悔やむことしかできない。
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