幼なじみの不器用な愛し方
だけど、幸か不幸か、既読はすぐについた。驚く間もなく、着信画面に切り替わる。


「も……もしもし」

[もしもし、俺だけど]


存じております。あなたさまは、昨日わたしが告白したお方です!

電話なんて慣れっこのはずなのに、耳元で響く有斗の声に、わたしの頭はパニックになる。保冷剤だって一気に溶けちゃいそうだ。


[……美月? 聞いてる?]

「う、うん。聞いてる。聞こえてる」


声が裏返りそうになった。

落ち着こうとソファに腰を下ろすけど、早くなった脈は少しも減速しない。

どう頑張っても平常心でいるのはむりだ。諦めよう。


「……体調、どう? 少しはよくなった?」

[うん。昨日よりはだいぶマシ]

「そっか。よかった。念の為、またフルーツとかゼリー買って帰ってきたんだけど、必要なかったかな」


わたしが言うと、今度は有斗の返答がなかった。

切れてないよね?と耳からスマホを離しかけたとき、電話の向こうで息を深く吸う気配がした。


[フルーツとかゼリーより、会いたい]


目眩がした。

体調が万全じゃないせいか、少しだけ熱っぽい有斗の声。
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