幼なじみの不器用な愛し方
「心配してくれてありがと。でも、大丈夫だから心配しないで。ね?」

「でも……」

「ほんとに大丈夫! さ、教室戻ろ。もうチャイム鳴っちゃうよ」


後ろ髪引かれる様子のメグちゃんの背中をぐいぐい押して廊下を進む。

下手な逃げ方だっただろうけれど、今のわたしに出来る精一杯の対応だった。




泣き腫らしたわたしの顔は教室をざわつかせ、結子には散々問い詰められた。

ほぼゼロ距離で詰め寄る結子を宥めていたツジも心配そうにしてくれていたけれど、大丈夫の一言で乗り切った。


スーパーに立ち寄ってから自宅に帰り着く。

洗面所に立って自分の今の姿と対峙してみると、幾分マシにはなっているものの、まぶたの腫れは治っていなかった。


「……」


この顔を晒すのは気乗りしないけど……仕方ないか。

冷凍庫から保冷剤を取り出して、まぶたに当てながらスマホを操作する。

メッセージアプリを呼び出して、思い切ってテキストを送った。


【体調、どう?】


まだ寝込んでるかもしれないし。そんな懸念が、却って送信ボタンを押す勇気になっていた。
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