幼なじみの不器用な愛し方
そんなところをよく知ってる近藤さんは内心微笑ましく思いながら釘を刺して、有斗は目に見えて拗ねちゃって。

そんな、繰り広げられたであろう光景を思い浮かべたら、にやけちゃうのも無理ないじゃん。


「笑いすぎだっつの」

「ふふふ。ごめん」

「許さねー」


肩にかけていたタオルがぐいっと引かれて、気付いたときには目の前に有斗の瞳があった。

認識するよりも先に、温もりが離れていく。


「な……っ」

「はは、真っ赤」


狼狽える私を、有斗が不敵に笑って満足そうに見下ろしている。


「ふ、ふいうち禁止!」

「いーじゃん。外で黙ってなきゃいけないぶん、2人のときは許してよ」


こんな意地悪で甘い顔、ただの幼なじみだった頃には見たことない。

か、可愛いなんて一瞬でも思っちゃったけど……油断ならないかもしれない!




週明け、学校は朝からどよめきに包まれた。


「むふふ〜」

「……なぁに、その顔」

「べっつに〜?」


人垣をかき分けて教室に入ってきた結子とツジが、わたしと、前の席に座ってスマホを触っていた有斗の元へとやってきた。
< 210 / 266 >

この作品をシェア

pagetop