幼なじみの不器用な愛し方
「やーーーっと仲直りしてくれたみたいで、よかったよ〜」


秋が深まった朝の教室と、こちらの様子を窺っている大勢の鼓膜を結子の澄んだ声が震わせた。

有斗はスマホから顔を上げて、気のない挨拶を口にする。


「ほんと久々に見るなぁ、この光景」

「ね〜。やっぱり2人はこうでなくっちゃ」

「やっと通常運転って感じだな」


そうだねーなんて笑顔を返しながら、心の中で拍手を送る。

すごい。ぜんぜん白々しくない!


実は、結子とツジの2人には、昨日の夜に4人のグループで電話をしてわたし達のことは報告済みだ。

内情をほぼ全て知っているし、たくさん迷惑も心配もかけてるし、何より隠したってすぐにバレるし……と有斗と話し合って、この2人にだけは打ち明けることにした。

もちろん近藤さん……事務所的にはNGだから、絶対に秘密であることも添えて。


いつもの調子で囃し立てられるかなぁなんて思っていたけれど、2人は茶化すことなく純粋に祝福してくれた。

隣にいた有斗と顔を見合わせ、はにかみ合ったことは2人には内緒だ。
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