幼なじみの不器用な愛し方
1年生や2年生すらも『有斗先輩』と呼んで黄色い声をあげているのだ。
──その中で、わたしの知る限り──と同時に有斗の知る限り、彼女だけが『神崎くん』と呼んでいた。
人懐っこい笑顔で、わたあめみたいな可愛い声で。
誰も気付かない間にそれとなく、彼女は──メグちゃんは、一種の“特別”を作り上げていた。
「実は、ずっと上原の進路気になってたんだ。上原、俺の周りで唯一同じ大学受けるかもって言ってた子だからさ」
「覚えててくれたんだ」
「当たり前じゃん。ひとまず、当初の志望大学には受かったんだよな、おめでとう。……受験勉強頑張ってるとこをたまに見かけてたからさ、どうしても、直接言いたくて」
耳当たりのいい声に、わたしと菊池の視線がバチっと絡む。
わたし達はたぶん今、十中八九、絶対に、同じことを考えている。──胡散臭いなぁ。
「ありがと。神崎くんに祝ってもらえるなんて思ってなかったから、すっごく嬉しい」
「ははっ。よく知らねーやつにはわざわざ言わねーけど、上原はそうじゃないもんな」
ところで、と有斗の言葉は続く。
──その中で、わたしの知る限り──と同時に有斗の知る限り、彼女だけが『神崎くん』と呼んでいた。
人懐っこい笑顔で、わたあめみたいな可愛い声で。
誰も気付かない間にそれとなく、彼女は──メグちゃんは、一種の“特別”を作り上げていた。
「実は、ずっと上原の進路気になってたんだ。上原、俺の周りで唯一同じ大学受けるかもって言ってた子だからさ」
「覚えててくれたんだ」
「当たり前じゃん。ひとまず、当初の志望大学には受かったんだよな、おめでとう。……受験勉強頑張ってるとこをたまに見かけてたからさ、どうしても、直接言いたくて」
耳当たりのいい声に、わたしと菊池の視線がバチっと絡む。
わたし達はたぶん今、十中八九、絶対に、同じことを考えている。──胡散臭いなぁ。
「ありがと。神崎くんに祝ってもらえるなんて思ってなかったから、すっごく嬉しい」
「ははっ。よく知らねーやつにはわざわざ言わねーけど、上原はそうじゃないもんな」
ところで、と有斗の言葉は続く。