辺境騎士団のお料理係!~捨てられ幼女ですが、過保護な家族に拾われて美味しいごはんを作ります~ 2
 王妃に子供がいるのは知らなかった。うっかり名前を繰り返したら、スカートの陰からハビエルは叫んだ。
「ごめんなさい……ええと、殿下」
 習ったお作法の通りに頭を下げる。王妃の息子ならば王子殿下だ。
(王子殿下の話って、今まで出たことあったかな?)
 国王夫妻とは何度か顔を合わせたことがあるけれど、今までハビエルの名を王妃の口から聞いたことはなかったと思う。
 王妃の顔を見上げたら、彼女はにっこりと微笑み返してきた。
「ハビエルはね、身体が弱くて、しばらく気候のいいところで養生していたの」
「しょ、そうでしたか、失礼いたしまちゅた!」
 噛んだ。
 動揺したのを見せないように、もう一度頭を下げる。その様子に、王妃は目を細めた。
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