辺境騎士団のお料理係!~捨てられ幼女ですが、過保護な家族に拾われて美味しいごはんを作ります~ 2
 と、ハロンに頭を撫でられてエルは満面の笑みを浮かべた。だが、それも、クレオに目をやるとしかめっ面になってしまう。
 一応荷物を持って出ては来たものの、クレオはこの世の終わりのような顔をしていた。
「信じられない……辺境伯家が王家を裏切ってる……王都に報告しなくちゃ……」
「あ、報告するだけ無駄だぞ。陛下も知ってるからな」
「うわあ!」
 ぶつぶつ言っているのを、誰にも聞かれていないと思っていたらしい。ロドリゴに声をかけられたクレオは飛び上がっている。
「お父様、馬車はあるけど馬はいないよ?」
「ああ、今回はいいんだ。ネーネがうまくやってくれる」
「ふーん」
 皆の前に用意されているのは、八人乗れる大きな馬車。けれど、馬は繋がれていない。
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