辺境騎士団のお料理係!~捨てられ幼女ですが、過保護な家族に拾われて美味しいごはんを作ります~ 2
 この間、貴族達はロドリゴが提出した書類を精査したり、自分なりの調査を進めたりしていたらしい。
「……さて、今日こそは決着をつけたいものだな」
 と、国王が皆の前で言うのを、エルは細く開いた扉の隙間からドキドキとしながら見つめていた。これからがエルの仕事だ。
 香ばしい香りが、きっと会議の開かれている部屋にも広まっている。落ち着きなく視線をさまよわせている人は、香りの発生源が気になっているようだ。
「と、会議を始める前に、皆に試食してもらいたいものがある。エルリンデ・カストリージョ辺境伯令嬢、入れ」
「……はいっ」
 呼ばれて、返事をする声が上ずっていた。だが、すぐに何事もなかった様に取り繕って歩き始める。
 エルの側には、料理が満載のワゴンを押してくれるラース、メルリノ、ハロンの三兄弟。
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