辺境騎士団のお料理係!~捨てられ幼女ですが、過保護な家族に拾われて美味しいごはんを作ります~ 2
 ささっとラースが差し出したのは、追加のワイン。メルリノは、ちゃんちゃん焼きを皿にとりわけ、フォークを添えて持ってくる。ハロンは、焼いた肉と新作の豆腐を皿に盛りつけて持ってくる。三兄弟、相変わらず連携が完璧にとれている。
 ロドリゴの腕から抜け出し、精霊達を連れて豆腐の方に戻ろうとしたら、すっとクレオが近づいてきた。
「エル様。僕、思ったんですけど」
「なーに?」
「辺境伯家は、悪いことはしないですよね」
「しないよ。お父様もにぃに達も、この国を守りたいだけ」
 他の貴族の目から見れば、野心があるように見えるかもしれないけれど、父や兄達の頭にあるのは、魔物を辺境の地に押しとどめておこうということだけ。だから毎日のように見回りに行くし、危険な森にも入る。
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