辺境騎士団のお料理係!~捨てられ幼女ですが、過保護な家族に拾われて美味しいごはんを作ります~ 2
 酒のグラスを掲げてにっこりとしたジャンに、ロドリゴは恨めしそうな目を向ける。
 ジャンも酒を好むのだが、一人で飲んでいるところを見かけることが多い。甘味をつまみに、度の強い酒を飲んでいることが多いけれど、酔っているところを見たことはない。
「エル様に、送別会の日もバーベキューにしてもらえばいいではないですか」
「何を作るかは、エルに任せているからなぁ」
 そんなやり取りを間近で見ているのも楽しいなんて言ったら、大人達に笑われてしまうだろうか。でも、ロドリゴとジャンのこんなやり取りは好きだ。
「エル、肉食べたか?」
「食べてるよぉ!」
 両手に肉を山盛りにした皿を持ったラースがこちらに近づいてくる。まだ身体が大きくなっている途中だし、よく身体を動かすので、ラースは人一倍食べる。
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