辺境伯様と白い結婚~敵国の王女のはずが旦那様の甘やかしが止まりません~


 「私の望みを叶えられるのは、この世界で唯一人、ロザリアだけだ。お前達如きが代わりになれるなど、努々考えぬ事だ……」


 「そんな小娘のどこが!私より勝っていると言うのです?!」



 これだけ言っても食い下がってくるとはな…………自尊心だけは国宝級だ。そんな人間を相手にするのも馬鹿馬鹿しいのだが、ロザリーを貶める発言は許せない。私は王女の目の前でロザリーをいつものように片腕に抱き上げ、彼女の頬にキスをする――
 

 「見て分からないか?全部だ」

 「テ、テオ様…………」


 …………………………王女に見せつける為だったとは言え、妻の可愛すぎる反応に皆の前でしなければ良かったと、少しだけ後悔した。

 
 
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