【書籍化決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~

オルビスの後悔


 
 「ロバートのお手伝い?……ロバートの…………」

 …………………………小説に出てきたような…………ロバートの手伝い………………あ!!

 
 「お馬のオーリー?!」

 「ははっそうです、オーリーです」

 
 お馬のオーリーとは本物の馬ではなくて、昔領地で過ごしていた時にお馬さんごっこで、私を背中に乗せてくれていたお手伝いのお兄さんの話が出てきていたはず…………まさかオーリーがこんなところにいたなんて……

 
 「領地に戻ってきたら、もうあなたはいなかったから…………どうしてここに?」

 「初めに話しておきますが、公爵家を追い出されたわけではありません。きっとロバート様は私を探してくれたと思うんです…………お嬢様が王都に移り、旦那様も移り住んでから1,2年くらいは平和でした。私はロバート様の手伝いをしながら領地の子供たちとも交流していたのです。貧しい子供も教会が面倒を見てくれていましたし、あの頃は本当に平和だった…………しかしヤコブ司祭が来てから、テレサが言っていたように教会の様子がガラッと変わり始めまして…………その…………」


 オルビスの顔が途端に曇り出す。言い出しにくそうなのを見兼ねてか、テレサが助け舟を出してくれた。
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