【書籍&コミカライズ作品】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~【第三部完結】
お姫様抱っこなんて私の記憶をたどる限りされた事もないし、前世の世界ではもちろんあり得ない。そして私の問いには答える素振りもなく、殿下はゼフの方に向き直った。
「私たちは先に行くぞ。そなたは後から来るように。我々が去った後、少し見回ってくれ……私の正体がここ以外でバレていたらまずいからな」
「は。仰せのままに」
そう言って私をお姫様抱っこしたまま、また歩き出した。気まずさを抑えて抱かれたままいると、入口付近に美しい白い馬が繋がれているのが見える。どこからどう見ても普通の馬には見えない。まさか自身の馬で駆けつけたの?どうして…………私が疑問に思っていると、豪華な馬装の鞍部分に私を横向きにそっと乗せ、手綱を解いた後、自身も後ろに跨った。
「マナーハウスに着いた時に君がどこにもいなくて、家令に問い詰めた。ここの話をされた時に私がどれだけ驚いたか…………」
「殿下…………」
「ヴィルだ」
「……申し訳…………」