【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~


 ヴィルの言葉を聞いて私の方が動揺していると、ゼフが首元にナイフを突きつけている。すると御者は焦ってべらべらと喋り始めた。


 「あ…………わぁぁ喋ります!お許しください…………アストリッド港です!あそこに今日貨物船がやってくるので、それに乗せる予定で…………」

 「…………そうか。人を売る事は出来ても殺し合いは恐ろしいのだろう。やはりアストリッド港……」


 フリだったのね…………始末するとか言うから、子供たちの前だし本当にするのかとびっくりしてしまったわ………………やっぱりこういうのは、全然慣れない。


 「よし、お前は荷馬車をそのままアストリッド港まで動かせ。ゼフも隣に乗るから逃げられると思うなよ。他の二人は置いていく」


 ここからは荷馬車に乗ってアストリッド港に行くのね……私とヴィルは気絶している二名のフード付き外套を奪って着込んだ。顔を隠すのにちょうどいいわ。そんな事をしていると、先ほどソフィアと話していたと思われる男の子が話しかけてきた。
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