【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~

 私がそう言った瞬間、一人の女性が「……聞いてくださいよ~~」と泣きついてきた。

 手を握って腕をさすりながら落ち着かせるように悩みを聞いてあげていたら、その女性を皮切りに次から次へと悩み相談をされてしまって…………カフェの前では物凄い人だかりになってしまったのだった。

 私に怒鳴っていた男性も後に申し訳なさそうに謝ってくれた。



 私が笑顔で握手すると、あんなに怒っていたのにいい笑顔を見せてくれて……ゼフとイザベルは最後まで驚き戸惑っている様子で、私のそばを警戒しながら離れないでいてくれた――

 
 皆色々な悩みを抱えて生きているのね。

 その為に教会のような場所が心の支えになっている人もいるんだ…………それなのにあんな人の道に反する事を陰でしているなんて、こういう人達をも裏切っている事が分からないのかしら。

 教会の悪行は絶対に許せないし、必ず罪は償うべきだと思う。


 それとは別に今日は民の生活に直接触れる事が出来て、街に来て良かったと思えた。

 結局伯爵邸にはその日は行けなかったけど、今日のような事がまたあるのかもしれないと思うと、やっぱり私にも護身術が必要かもしれない……と改めて感じたのだった。


 
 
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