【書籍化決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~

杞憂 ~王太子Side~


 公爵領から帰ってからの日々は目まぐるしく、少しでもオリビアの元に通いたかったのだが、全くそんな時間はなくなってしまった。


 ニコライは溜まっていた仕事をこれでもかというくらい山積みにしていくし、司教と司祭の刑を決める為の議会にも出席せねばならず、朝から晩まで王宮に缶詰め状態…………

 議会での議論も毎回平行線だった。

 王族派と貴族派で教会に対する忖度の仕方がまるで違う為、法に則って厳しく処罰するべきという王族派と、教会の者を厳しく処分すれば民意を蔑ろにしてしまう為減刑を求める貴族派と、真っ2つに分かれていた。


 そこへ母上が教会側について話をし始めるので、更にややこしい事になる。


 父上はもちろん法に則った処分を求めているが…………建国祭が近い事もあって、民が暴動を起こす可能性を挙げられると、消極的になる王族派も出てくるようになった。

 時期が悪かったとしか言いようがないな。何のための法なのか――――
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