【書籍化決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~

水面下での動き



 「私が摂取した毒の成分が分かったのは嬉しいですが、王妃殿下が入れたのではないのですか?」
 
 「うん、私もてっきり王妃殿下が入れているものだと思っていたんだ。あまりにも我が公爵家が邪魔みたいだから…………でもデラフィネについて、彼女は全く知らない様子で、陛下もおかしいと感じたらしくて……それに王妃殿下の口から聖女という言葉が出てきたり、かなり衝撃的だったよ」

 「…………母上でなければ、誰が………………」


 そう、そこなのよね。私だけが王妃殿下のお茶会に行ったら具合が悪くなり、体にもその成分が入っていた。私だけに飲ませる、というのはとても難しい事だと思う。それに――――


 「少し話は脱線してしまうのだけど、昨日民に詰め寄られた時になぜか民衆が、決まってもいない司教と司祭の刑について知っていたのです。私ですら前日にお父様から聞いたばかりの情報でしたのに……議会での内容は守秘義務がありますわよね?誰かが意図的に流しているような感じがします。議会での話を知っているとなると…………」

 「情報を流しているのは議会に出席していた貴族の中の誰か、という事になるな。守秘義務を破り、オリビアに矛先が向くようにしている貴族がいるという事だ。もしそうならその貴族が一番に怪しくなってくる」


 私はヴィルの顔を見て頷く。

 多分教会と深いところで繋がっている貴族がいるはず。

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