【書籍化決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~

 前はそれが王妃殿下かと思っていたのだけど、彼女は違ったのね。むしろ王家が排除されないように考えていたなんて……その為にヴィルと聖女との婚約が必要だと考えていたのなら、私の存在はさぞかし邪魔だったでしょう。

 噂を広げたりは許せないけど、彼女にも彼女なりの正義があったのかもしれない。


 「お父様、王妃殿下は聖女の召喚について研究を行っているところを見た事があるのですよね?完成される時は近いのですか?」

 「それについては私の前では話してくださらなかった。もしかしたら陛下には伝えているのかもしれないけど……それに聖女がどのような形で現れるのか、もしかしたら本当に小さい少女かもしれないし、聖女については情報が無さすぎる」

 「今の時点で出来る事はあまりないですわね…………何とか教会と深く繋がっている貴族を見つけ出したいところだけど」

 「まぁそれも大事だけど、ひとまず王妃殿下には今後のお茶会は自粛してもらうように伝えておいたよ」


 ウィンクしながら茶目っ気たっぷりのお父様の言葉に私は吹き出してしまった。暗くなった雰囲気を一気に変えてくれる。


 「ふふっそうですわね。それは大事な事ですわ」


 私としてもあのお茶会に行かなくていいというのは、とても心が軽くなった。王妃殿下にも正義があるとは言え、目の敵にされているのは変わらないし、本当に疲れてしまうから。
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