【書籍化決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~

 それにしても頭に手を乗せようとした瞬間、ビクッとしたのも見逃せないわ。殴られたりする事が日常的にされてきた証よね…………たまらなくなって、もっと撫で回しハグをしてあげる。
 
 女の子が体を硬直させてしまったので、まだこういうのは早かったか……と思いハグではなく、両手で頬を包んであげた。

 
 「あなたはもう何の心配もしなくていいの。あなたさえ良ければ、私と一緒に来ない?」

 
 女の子は何を言われたのか一瞬分からない様子で動揺しているので「ダメかしら?」ともう一押ししてみた。すると、少し考えて頭を縦にブンブン振って頷いてくれた。

 
 「よかった!私はオリビア。あなたのお名前は?」

 
 そう聞くと顔を曇らせ俯いてしまう…………そっか、物心ついた時から親はいなかったのね…………名前が分からないの……「じゃあ、私が決めてもいいかしら?」そう聞くと、また頭を縦にブンブン振るので可愛くて笑ってしまった。

 
 「ソフィアにするわ。今日からあなたはソフィアね!私の曾祖母様のお名前なの…………大事にしてくれると嬉しいな」
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