【書籍化決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~

 
 「今夜からは、私と一緒に寝ましょう。大丈夫よ、マリー」

 
 一瞬、慣れているから……と言いそうになってしまう。いけないわ…………私は17歳の貴族令嬢なんだもの、慣れているわけがないのよね。

 つい前世の自分が出てきてしまいそうになるのを気を付けなきゃ。マリーは渋々納得してくれて「隣の部屋にいますので、何かあればすぐに仰ってくださいね」と言って出て行った。
 
 ゼフはその間、終始無言でやり取りを見つめ、マリーと共に出て行った。お父様に頼まれた護衛だし、報告されてしまうかな。

 私の事が心配でお父様が彼を護衛に付けてくれたのは分かっているけれど、多分お目付け役でもあると私は思っている。何か危険な事に巻き込まれないようにとか、私が変な事に足を突っ込まないようにとか…………全部私を心配してでしょうけど。

 
 もう夜も遅くなってきたし、着替えを済ませてソフィアと一緒のベッドに潜り込んだ。私に甘えるようにすり寄ってきて、安心したのかすぐに寝息が聞こえてくる。こうやって子供と寝るのはいつぶりかしら…………自然と笑みがこぼれてしまうわ。
 
 その夜は久しぶりの人の温もりが心地良くて、あっという間に眠りに落ちてしまったのだった。

 
 
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