【書籍化決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~

ダンスタイムと悪口


 そんな事を考えていると、後ろから声をかけられる。


 「オリビア様、こちらにいらっしゃったのですね」

 「イザベル!これから挨拶に行こうと思っていたのよ」
 
 「オリビア様に先にさせるわけにはいきませんので、こちらから参りました」


 さすがイザベルは夜会でもカッコイイわね……素敵。そこへニコライ様がやってきてイザベルと話し始める。


 「やぁ、イザベル。今日は一段と美しい装いだね」

 「ニコライ卿、世辞など言う必要はありません。このような恰好を私が好まないのを知っていて、皮肉でしょうか?」

 「これは相変わらず手厳しいな。私はいつも本当の事だけ伝えているつもりなのに」


 ニコライ様は紳士らしく手を取り、イザベルに挨拶をしている。当のイザベルは無表情のまま…………むしろ絶対零度の空気を出しているわ。

 何より驚いたのがヴィルをも弄るあのニコライ様が、イザベルに塩対応されているって事…………
 
 こんな事が出来るのはイザベルだけね。でもなんだかニコライ様は楽しそう。
 

 「………………そろそろ手を離してもらっても?いくら殿下の腹心のニコライ卿と言えど、礼を欠く態度をなさるなら身の安全は保障出来かねます」

 「相変わらず鍛錬を欠かさないようですね。あいにく私もこう見えて強いのですよ」
< 408 / 512 >

この作品をシェア

pagetop