【書籍化決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~

 
 「…………知っています。私を辺境伯閣下の軍に早く入れてほしいんですけどね」


 ええ?イザベルはウィットヴェンスキー家の軍に入りたいの?確かに辺境伯が持つ軍は物凄い強くて王国一の素晴らしい軍なのだけど……


 「あなたが辺境伯に来るとしたら、私のパートナーとして来てほしいと何度も伝えているのですがね」

 「それはない。それ以上軽口をたたくなら……」


 イザベルが殺気をまとっているわ!ここではマズイと思い、イザベルを宥める事にした。

 そんな話が出ているだなんて知らなかった…………2人のやり取りを見ている内に音楽が変わり、ダンスタイムに入ったようだった。ヴィルが私の手を取り、ダンスのお誘いをしてくる。


 「私たちも少し踊ろうか。ダンスをご一緒しても?」

 「喜んで」


 領地でファーストダンスを誘われていた事を咄嗟に思い出す。彼の腕に自分の右手を乗せて、私たちはホールの中央に進み出た。ダンスの練習をした事はないけど、多分元のオリビアの体が記憶しているはず。

 私の左の背中辺りにヴィルの右手が添えられ、私は左手を彼の肩に乗せ、音楽に乗って踊り始める――――
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