【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~


 「っ危ない!!」


 私は咄嗟にレジェク殿下に体当たりするように一緒に避ける。茂みから飛び出してきた人物は、私たちがかわした為に目標物を失って転がっていた。


 「っぐ…………おのれ……っ!」

 「あ、あなた達は…………ヤコブ司祭とヴェットーリ司教?!」

 「お前を殺す絶好の機会だったのに…………ヤコブ!お前のせいだぞ!」


 ヴェットーリ司教は相変わらず人のせいにして、その場を逃れようとしていた。ヤコブ司祭は「ひぃっすみません!」とすっかり怯えている。ヤコブ司祭に人殺しが出来るとは思えないわね……

 私は床に座っている状態でもレジェク殿下を後ろに守りながら、2人を興奮させないように冷静に問いかけた。


 「こんな事までして……せっかく恩赦されたのにどうして命を大事に出来ないの?」

 「うるさい…………お前と殿下のせいで私の教会での地位はなくなった……どうせ終わったも同然なら一緒に道連れにしてやる!」


 ヴェットーリ司教は持っていたナイフのような刃物を私に振りかざして切りかかってきた――――さすがにこの体勢からは避けられずにぎゅうっと目を瞑ると――――
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