【書籍化決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~

お祭りと花火



 公爵邸に帰ってきてその時の状況を事細かにお父様に説明すると、その日から3日は外出禁止になってしまった。

 腕の赤みも消えないし、少し痛みもあったので仕方ないと言えばそうなんだけど…………せっかくのお祭りなのに、とマリーに泣きついていた。


 「お嬢様…………大変な目に遭われましたね。旦那様が心配するのも無理もないかと……」

 「…………うぅ……被害に遭ったのは私なのに外出まで禁止されてしまうなんて……」
 
 「お嬢様を連れて帰ってきた殿下も大層心配されていましたし、お嬢様が今出歩かれると旦那様も殿下も心配で動けなくなります……ここは皆の為に大人しくなさっていた方が」

 「……………………」

 
 それを言われてしまうと、諦めるしかなくなってしまう。

 帰りの馬車でもヴィルがすっごく心配して、そばにいられなかった自分の事を責め始めるし、大変だった。


 中庭に来るのが遅れた理由は、私が出て行った後、ブランカ嬢やその周りの令嬢が彼に駆け寄って泣いたり騒ぎ出したので、パーティー会場が騒然となってしまっていたのだと言う。

 そこに陛下がやってきたりして、かなりの騒ぎになったらしい…………修羅場ってやつよね。


 静めようとしている時に叫び声が聞こえて慌てて駆けつけた、と説明された。

 もとはと言えば私が蒔いた種だから仕方ない…………
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