【書籍化決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~

逸る気持ち ~王太子Side~


 オリビアが街で暴動に巻き込まれた後から、私の周りでは色々な事が変化していった。

 一番は母上の事だ。


 あれだけ私の事を疎んじていて、命をも狙われていると思っていた事がそうではなかった、という事実を私はなかなか受け入れられずにいた。

 すっかり教会に心酔し、王家を裏切っているものとばかり思っていたのに…………まだまだ私は子供だったという事か。

 
 議会での話が民に洩れていたり、問題は山積みだが、父上が母上と話し合った後から父上の動きが変わっていった。

 議会に母上を出禁にしたのには驚いたが、その後も議会での発言も強気になり、教会へも厳しい処分を下してくださった。


 そして建国祭が始まり、ドレス姿のオリビアをエスコートして祝賀パーティーに参加する事が出来た。

 私が贈ったドレスを着たオリビアは天女の如き美しさで、パーティーに連れて行きたくなかった…………案の定レジェクとかいうドルレアン国の王太子殿下に言い寄られてしまい、そいつに傷跡まで付けられてしまう。
 
 オリビアは本当に美しい。

 見た目はもちろんだが、中身から溢れ出る美しさは比にならない。


 私はその美しさにいつも見惚れてしまうのだが、そんな彼女に害虫が寄り付かないようにより一層気を付けなければ、とその日に硬く決意したのだった。

 お祭りでも同行し、花火は王宮で見ようと提案する。


 これで安全だ。

 
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