【書籍化決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~

終焉


 「ゼフ!」


 私はすっかりゼフの存在を忘れていて、イザベルと2人で乗り切る気持ちでいたので、ゼフの登場に驚きと喜びが入り交じった声を上げてしまったのだった。
 

 「…………まさかまだ仲間がいたとは……上にも教会の者がいたはずなのに…………」

 「…………………………全て制圧した」

 「…………っく」

 「……遅くなって申し訳ありません、オリビア様。ボゾン家の者の妨害に遭い、あなたの行方を見失ってしまうとは…………」

 「大丈夫よ、来てくれて助かったわ!」
 

 ゼフが頷き、大司教の動きをしっかりと止めてくれたので、レジーナの持っているデラフィネの液体を彼女の手から奪い、床に叩きつけた。


 ――――パリーンッ――――


 ガラスが割れて砕け散る音が地下室に響き渡る。私のその行動を見て正気に戻ったレジーナは、床に飛散したデラフィネの液体をかき集めるように床に飛びついた。


 「ああっなんて事を……これだけ作るのにどれだけのデラフィネが必要だと思ってっ!」


 「そんな事は知った事ではないわ。こんなモノがあるから…………ゼフ!ボトルをこちらに投げて!」

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