【書籍&コミカライズ作品】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~【第三部完結】
「今日もこちらにお越しいただき、感謝いたします。オリビア様」
「修道院長様。そんな、私は来たくて来ているのですから、お顔をお上げください」
聖ジェノヴァ教会跡地に三日と空けずに通っている私に対して、いつも恭しく頭を下げて挨拶をしてくれるのは、ハミルトン王国の王都にある大修道院のトップである修道院長様だった。
見た目はとても若く肌艶もいいのだけど、頭頂部は全て剃っていて、服装も黒のスカプラリオをまとい、質素な生活がにじみ出ているかのような佇まいは大司教とは大違いだった。
修道院での生活はとても規律が厳しいって言うものね。
俗世との関わりを一切絶つ彼らに子供たちの保護を手伝ってもらうのはとても心苦しかったのだけど、善行は彼らにとっても歓迎すべき事のようで、快く引き受けてくださった。
その代わり、国としても支援は惜しまないと陛下が約束したのだ。
「修道院長様のおかげで子供たちの笑顔が増えました。こちらこそ感謝してもしきれませんわ。本当にありがとうございます」
「オリビア様に頭を下げさせたとなれば、私はどんな罪を言い渡されるのやら……」
「まあ……ふふっ」
私達が冗談を言って笑い合っていると、学びを終えた6歳くらいのサンドという男の子が一人でこちらに走ってきて、私の腕を引っ張っていこうとする。
「こっちで皆と遊ぼうよ!」
「こらこら、オリビア様は遊びに来ているわけでは……」
「いいんです、この子たちと遊びに来ているようなものですから」
「え……」
修道院長様は貴族の令嬢が子供と遊ぶ為に来ているという言葉が信じられないようで、私の言葉に目を丸くしていた。