【書籍&コミカライズ作品】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~【第三部完結】
マリーの仕事の早さに感動してしまう。
ソフィアもマリーに尊敬の眼差しを向けているもの。
「ありがとう、マリー。 では行きましょうか」
「はい!」
「うん!」
「よし、では馬車に乗ろう」
「…………」
皆が返事をする中、ゼフは返事の代わりに頷き、私たちは意気揚々と馬車へと向かった。
船旅も初めてだし、この世界に転生して他国へ行く事自体が初めてだから、とても楽しみだわ。
王妃殿下はあまり良い国とは言えないから気を付けなさいと仰っていたので、十分に警戒しながらもソフィアを楽しませてあげたい。
そんな事を思いながら鼻歌まじりで馬車の方へと向かうと、前を見ていなかったのでヴィルにぶつかってしまう。
「あ、ごめんなさい、ヴィル」
目の前にあるヴィルの背中に向かって謝ってみたものの、ヴィルはピクリともしない。
どうしたのかしら……皆固まっているし、馬車に乗らないのかしら?
「どうしたの、何かあった?」
私が聞いても返事がないのでヴィルの体の横から顔を覗かせると、馬車の前には大荷物を抱えながら息を切らして仁王立ちしているマリアが立っていたのだった。