【書籍&コミカライズ作品】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~【第三部完結】
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ドルレアン国に行く準備も整い、ついに出発の日を迎える事になり、邸の中はいつも以上にバタバタしていた。
マリーは旅行用の大きいバッグを幾つも用意し、中身を確認したり様々なチェックをしている。
「そんなに荷物を詰め込まなくても大丈夫よ。 7日ぐらいで帰ってくるんだから」
「いけませんわ! 国賓として招かれているのですから、お衣装など不備があれば国の威信に関わります!」
「大げさよ」
「いいえ、大げさではありませんわ! お嬢様は国賓というものがどういうものか分かっていらっしゃらないのです!」
マズいわ……物凄い量の荷物につい言葉をかけてしまったけれど、マリーの世話焼き心に火を着けてしまったかもしれない。
私がマリーの剣幕に押されていると、エントランスホールにヴィルが入ってきて、爽やかに挨拶をしてきた。
「オリビア、おはよう。 準備は整ったかい? 少し早いけど迎えにきたよ」
「おはよう、ヴィル。 迎えに来てくれてありがとう。 多分もう少しで整うと思うのだけど」
「領地と違って全くの異国に行くから、しっかりと準備していった方がいい。 船は王族専用のだし、時間は急いでいないから」
「そ、そうなの」
王族専用の船…………それならば荷物が多くても乗せる事が出来るわね。
ってそういう事ではなくて、貸切状態で行くって事?
ドルレアン国は海を隔てた隣国なので船で行く事は分かってはいた。
でもよくよく考えてみたら、王族が平民と同じ船で行くという事はあり得ないか……つい前世の時の日常と同じように考えてしまう。
「お嬢様、準備が整いましたので港へ向かいましょう!」
「え、もう?」
「はい! 王太子殿下がいらっしゃったので、頑張りました!」