【書籍&コミカライズ作品】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~【第三部完結】
「オリビア~~私もずっとドルレアン国に行きたいって言ってたのに、いいって言ってくれないよー!」
「ま、まぁ国賓として招かれているから、なかなか他の人もっていうわけにはいかないんじゃない?」
「私は他国を見てみたいだけで、国の行事に参加したいわけじゃないもん」
「えーっと……ヴィル、どうするべき?」
「はぁ…………」
ヴィルに助けを求めると、深い溜息と共に諦めの雰囲気を感じる。
うーん、これは連れて行かないと、私たちも遅れに遅れてドルレアン国に行けないんじゃないかしら。
「……連れて行ってもいいが、部屋が用意出来るとは限らないぞ」
「オリビアと一緒に寝るから大丈夫よ」
「なっ」
「ヴィル……もしかしてオリビアと一緒に寝ようとしていたわけじゃないわよね?」
マリアにツッコまれて揶揄われたヴィルの顔が、どんどん赤くなって返す言葉がなくなってしまっていた。
え、本当に一緒に寝ようと思っていたわけじゃないわよね?
結局ヴィルが負けたのかマリアに「好きにしろ」とだけ言って、マリアも一緒に行く事が決まったのだった。
そこへ馬車の前で騒いでいた私たちに気付いたお父様がやってきて、すかさず話に入ってくる。
「殿下、ぜひ聖女様をお連れになり、オリビアと同室で寝かせてさしあげてください」
さっきのマリアが言っていた言葉がお父様の耳に入っていたとは……さすがのヴィルも小さな声で「はい」と返すしかなくなっていた。