【書籍&コミカライズ作品】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~【第三部完結】
「ふふっ……分かったわ。あなた、自分がオリビアに紹介出来なかったから苛立っているんでしょ?お子ちゃまね~~」
「なっ!…………っ誰のおかげで船に乗れたと思っている!」
「オリビアのおかげね。それとも陛下のおかげかしら?」
……手柄を取られたような気持ちになった私は、売り言葉に買い言葉でどんどんヒートアップしてしまう。
結局マリアとやり合ってるうちに船旅を終えてしまい、オリビアとの甘い旅行を目論んでいた私の思惑は、まるで聖女(聖なる女性)には見えないマリアによって打ち砕かれてしまうのだった。
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ドルレアン国の港へと停泊し、タラップではオリビアの手を引きながら降りていくと、レジェク殿下やその他の家臣たちがズラリと並びながら私たちの訪れを待っていた。
ここまで仰々しいのも何やら怪しげな雰囲気を感じてしまう。
レジェク殿下が我が国へやって来た時はここまでの出迎えはしなかったので、我が国へのあてつけなのではとすら思えてしまうな。
「オリビア様、建国祭ではご無礼を働き、大変申し訳ございません。その後、御手の痕は消えましたか?」
「はい、もうすっかり」
実に白々しい。
痕だなどと言っているが、あれはオリビアを傷つけようとしたものではないか。
相変わらずレジェクの挨拶は、オリビアに対してだけ粘着質なものを感じる……国賓として招かれていなければ、私のオリビアに触るなと言ってしまいそうになる。
国を代表して来ているのでひとまず大人しくしておくか、とさり気なくオリビアの手をレジェクから引き離すに止めた。
そしてドルレアン国のムンターニャという宰相が、この国に似つかわしくないような美しい見た目の通訳を我々に紹介してきた。