【書籍&コミカライズ作品】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~【第三部完結】


 彼女の話に驚きつつもヴィルの表情を窺う。ヴィルはただじっと2人を見ているだけで、その表情から何かを読み取る事は出来ない。


 でも動揺しているようにも見えないので、想定内の返答のようだという事は分かった。


 軍事支援を渋ったと言うけれど、常に戦いに明け暮れている国への支援なんて、いつまでもしてもらえると思っているところが図々しいと感じてしまう。

 国の財政が厳しいのはドルレアン国の方だし、自業自得じゃない。


 「お言葉ですが、そのおかげで他国からの支援にこぎ着けたと聞いておりますが? 父上はいつも状況を冷静に見ておられますので、最良のタイミングで動いております。 それに支援するべきか否かは私が決める事ではありませんので」


 閉じた扇を握り締め、ヴィルの言葉を聞きながら戦慄いている王妃殿下は、怒りを堪えられない様子でまくし立てた。
 

 「なんと生意気な!我々が他国に支援を要請するのをただ傍観していただけではないか!親族が困っていたというのに血も涙もない……親も親なら子も子よ。まぁ、あのじゃじゃ馬の腹から生まれてきたのだから、人ではなく暴れ馬なのかもしれぬな……」

 「妃よ、上手く言うたな」


 2人は笑い合いながら楽しんでいる。


 でもこっちとしては少しも面白くないんですけど?!

 なんなの、この人たち。

 それにしてもドルレアン国の王妃殿下って、正直ヴィルのお母様に似てると思うのは私だけ?


 まさか憎まれ口を叩きながらもシスコンなわけじゃないわよね……国王の気持ち悪さと目の前の2人に対する腹立たしさで気分が悪くなってきた私は、話題を変えようと私の方から挨拶をしてみる事にしたのだった。
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